TOOLPIPO LAB DOCX

Wordで画像が表示されない原因は?

画像の代わりに「リレーションシップIDの画像部分が見つかりません」と出る。画像は消えてしまったのでしょうか。自作のWordファイルで、画像そのものと、画像への案内を分けて調べました。

本文の画像番号から保存先をたどり画像ファイルへ届く

結論

画像ファイルがない場合と、画像への案内が間違っている場合は別の問題です。参照の一致は調べられますが、Word実機での表示結果は今回の検証対象ではありません。

検証概要

検証日
検証条件
自作ファイル・条件・実測結果は本文に掲載

画像が残っていても、保存先の案内が違うと見つからない

画像ファイルの欠落と、画像への案内の間違いは別の問題です。

DOCXは、本文や画像などを1つにまとめたWordファイルです。本文には画像そのものではなく、「どの画像を使うか」を示す番号が書かれています。その番号から保存先の案内をたどって、画像を見つけます。

今回、画像を残したまま番号や保存先だけを変えても、不整合を検出できました。画像が表示されないからといって、画像そのものが必ず消えているとは限りません。

確認したのはDOCX内部の指定です。Wordで実際に開いた結果は未検証で、各条件が必ず赤いXや同じエラーになるとは断定しません。

まずは、画像までつながる正常な例

本文画像1枚の短いDOCXを作り、それを基準に10条件を用意しました。画像も本文も検証用の自作です。

基準では、本文の画像番号rId5から、media/image1.pngという保存先をたどり、実際のword/media/image1.pngへ届きます。リレーションシップ(relationship)は、この番号と保存先を結ぶ案内です。

本文の画像番号から保存先をたどり画像ファイルへ届く
本文の番号が保存先の案内を選び、その案内が画像ファイルを指します。rId5は画像そのものではありません。

正常な例の保存先不足は0件、未定義の番号は0件でした。

画像だけを消すと、最後の参照先がなくなる

番号と保存先の指定は変えず、word/media/image1.pngだけを削除しました。案内は合っていますが、その場所に画像がありません。検査では保存先不足を1件検出しました。

同じ画像参照で実画像だけを削除した比較
同じrId5・同じ保存先でも、最後の画像ファイルがないと参照が途切れます。

「NULL」は、画像の保存先を指していなかった

Microsoftの該当エラーの説明では、画像の保存先を示すTargetがNULLになった例を取り上げています。

同じ条件を自作DOCXで作りました。画像と番号rId5は残し、保存先だけをNULLへ変えると、検査はword/NULLを探して不足1件を検出しました。

Microsoftの資料に出るrId8は一例です。番号はファイルごとに変わるため、rId8だけに固有の問題ではありません。また、画像のエラーがすべてNULLによるものとも限りません。

画像の番号が違うと、案内そのものを探せない

次は画像と保存先を残し、本文の番号だけをrId99へ変えました。案内側にはrId5しかなく、rId99は定義されていません。

検査結果は、保存先不足0件、未定義の番号1件。画像を削除した例とは違い、画像は残っています。

画像ファイルの不足と画像番号の未定義は違う
画像がない例は最後で途切れます。番号が未定義の例は、画像の保存先を選ぶ前に途切れます。

画像名の指定違いも、画像の欠落とは分けて見る

画像を残し、保存先だけをmedia/image99.pngへ変えた例でも、保存先不足1件になりました。本当に存在するのはimage1.pngで、指定されたimage99.pngではありません。

別の例では、実画像をImage1.pngへ改名し、指定をimage1.pngのままにしました。完全一致ではなく、大文字小文字だけ違う候補1件として検出しました。Wordでの表示結果は測っていません。

ヘッダーの画像は、本文とは別の案内を使う

ページ上部に出るヘッダーにも画像を置き、その画像だけ削除しました。本文画像は正常なままです。

本文の案内はdocument.xml.rels、ヘッダーの案内はheader1.xml.relsです。今回は同じrId5でも、それぞれ別の保存先を指しています。

本文とヘッダーは別々の画像保存先の案内を持つ
本文のimage1.pngは存在し、ヘッダーのheader-logo.pngだけが欠けています。調べる案内ファイルも別です。

ヘッダー由来の保存先不足は1件でした。本文の画像だけを調べても、ヘッダー側の欠落は分かりません。

外部リンクや画像の種類は、別の確認が必要

外部の画像URLを指定した例は、埋め込み画像ではなくリンク画像です。検査は外部参照1件として認識し、DOCX内の保存先不足は0件でした。URLにはアクセスしていないため、外部画像が存在するかは未検証です。

画像の種類を記すContent TypesからPNGの指定だけを消した例では、画像と保存先が正常でも、種類指定の問題1件になりました。

さらに、ファイル名はimage1.pngのまま、中身を自作GIFに変えました。参照先は存在しますが、画像形式GIFとPNG指定が合わず、画像の確認候補1件になりました。

10条件を比べると、切れている場所が違う

自作DOCXを読み直した結果。Word画面の表示結果ではありません。
変えたところ検査で分かったこと
正常な本文画像指定された画像を見つけた。参照の不整合0件。
画像ファイルを削除番号と案内はあるが、指定先の画像がない。
保存先がNULL番号と画像はあるが、保存先はNULL。
画像の番号が未定義本文の番号rId99に対応する案内がない。
別の画像名を指定画像はあるが、別のファイル名を指定している。
大文字小文字が違う完全一致せず、大文字小文字だけ違う候補を検出。
ヘッダー画像だけ削除本文画像は正常。ヘッダーの画像だけ見つからない。
外部のリンク画像外部リンクとして認識。URLの存在は未検査。
画像の種類指定がない画像はあるが、PNGという種類の指定を解決できない。
PNG名で中身はGIF参照はつながるが、実バイトはGIF。PNG指定と違う。
検出件数と、XMLに書かれた指定
XMLの指定と画像ファイルの照合
条件画像の番号保存先の指定実画像の照合分かったこと
正常な本文画像rId5media/image1.pngexists:word/media/image1.png指定された画像を見つけた。参照の不整合0件。
画像ファイルを削除rId5media/image1.pngmissing:word/media/image1.png番号と案内はあるが、指定先の画像がない。
保存先がNULLrId5NULLmissing:word/NULL番号と画像はあるが、保存先はNULL。
画像の番号が未定義rId99media/image1.pngexists:word/media/image1.png本文の番号rId99に対応する案内がない。
別の画像名を指定rId5media/image99.pngmissing:word/media/image99.png画像はあるが、別のファイル名を指定している。
大文字小文字が違うrId5media/image1.pngcase mismatch候補:word/media/image1.png完全一致せず、大文字小文字だけ違う候補を検出。
ヘッダー画像だけ削除rId5media/header-logo.pngmissing:word/media/header-logo.png本文画像は正常。ヘッダーの画像だけ見つからない。
外部のリンク画像rId5(外部リンク)https://example.invalid/toolpipo-synthetic-image.pngDOCX内の画像は不要外部リンクとして認識。URLの存在は未検査。
画像の種類指定がないrId5media/image1.pngexists:word/media/image1.png画像はあるが、PNGという種類の指定を解決できない。
PNG名で中身はGIFrId5media/image1.pngexists:word/media/image1.png参照はつながるが、実バイトはGIF。PNG指定と違う。

件数は公開済みDOCXチェッカーの同じ解析処理で取得しました。「参照数」には本文への入口も含み、通常は2件、ヘッダー付きは4件です。画像の枚数とは違います。

各条件の検出件数
DOCX参照数保存先不足未定義番号大小文字候補種類指定の問題
valid-image.docx20000
missing-image.docx21000
target-null.docx21000
undefined-rid.docx20100
wrong-target.docx21000
case-mismatch.docx20010
header-image-missing.docx41000
external-image.docx20000
content-type-abnormal.docx20001
image-bytes-mismatch.docx20000

正常例の本文はr:embed="rId5"、案内のTargetはmedia/image1.pngです。ヘッダー例の参照元はword/header1.xml、Targetはmedia/header-logo.png。外部リンク例はr:link="rId5"とTargetMode="External"を使っています。

Content Types異常と形式不一致では、保存先不足はどちらも0件でした。参照がつながることと、画像として正しく指定されていることは別です。

自分のDOCXでは、エラーに出た番号と保存先を見る

DOCX構造・画像・リンク整合性チェッカーでファイルを1件選び、未定義の番号や保存先不足を確認します。エラーに番号が出ている場合は、その番号と参照元を照らし合わせてください。ヘッダーだけの問題ならヘッダー側の結果を見ます。

元のファイルを直接編集せず、まずコピーを残してください。このツールは原因箇所を探すもので、Wordの表示設定の確認や、自動修復はしません。

失われた画像は、保存先の文字列だけでは戻らない

画像がDOCX内に残っていて、案内だけが違う例と、画像自体を消した例は分けて考える必要があります。画像のバイトがなくなっていれば、番号や保存先を書き直しても画像の内容は復元できません。元画像や以前のファイルが必要です。

同じ10条件を試せる検証用ZIP

自作DOCX 10件と測定結果をダウンロード

ZIPを展開し、1つのDOCXをチェッカーで選んでください。故意に不整合を作ったファイルも含みます。変更箇所と確認内容はREADME.txtに記載しました。

ファイルサイズ・SHA-256と測定データ

ZIP:21,973バイト。SHA-256:869f054349c588c00a2093ef520faa9d8fa20e5c00757f62aea487e451e84b01。

各DOCXの実サイズとSHA-256
DOCXファイルバイト数SHA-256
valid-image.docx1781631dafd9b7fa7bab75a8dcdd02e3782a64a76c89e5b74a614622a751f3a4d704
missing-image.docx1594d2d88ba71e7dd9460d5ab364b8fa8641797cf32dfd7e783e5eb6d7689ed602a5
target-null.docx177666e3185819c834797e7c72ce7510011fc9398d96b5d8eb518c5ef8f323c789d2
undefined-rid.docx1782c9ec340067e9c3d866f8df1b35eb7a7b0aa02bba0a01b4924ee2a5ef2245bfa1
wrong-target.docx17829fb6848c7519f5525a9f709ef1d2864cd37567028e0aff7c53c09abca939480b
case-mismatch.docx178189c46f8ecf54459dfe2608680afe65090503931bf7f82479cd0d73e7d6031013
header-image-missing.docx271671893e9240ef1dbbe34bb77f737369aaf2cfc6a73130dadc4ea32c8bbfa1ffce
external-image.docx1633afe019ba4e044116490877dc57b73640c0d7a114ff87ee4db0d3888baa167f5c
content-type-abnormal.docx17692b1fa1fdf8897210aa3e82f8b2debe1c423e0f49bebde0726ed275212f07e85e
image-bytes-mismatch.docx1745f71f9c2afe6423b8f3e0814612e5af24169cc95642978fa5fa1b9437f7328b2d

ZIP entry・画像番号・保存先・解析結果(JSON)

今回の検証で分かること・分からないこと

検証日:2026年10月2日。合成DOCX(synthetic fixture)を生成後に読み直し、XMLの指定、画像の実体、既存ツールの解析結果を照合しました。外部URLの取得や、外部サービスへのファイル送信はしていません。

Wordで実際に開いた結果は未検証です。全DOCXの仕様適合性や、Wordの修復結果を保証する試験でもありません。

Microsoftの赤いXの説明には、外部リンク画像や画像を読み込む機能の問題なども挙がっています。赤いXや「画像が表示されない」という症状を、今回の番号・保存先の不整合だけで説明することはできません。

制作方針はコンテンツ制作・計算検証方針をご覧ください。

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