TOOLPIPO LAB EXCEL

Excelで非表示にした情報は消える?

Excelで隠したシートや行は、共有先にも残るのでしょうか。検証用ファイルを作り、画面表示と内部データを比べました。

VISIBLE画面に見えるシート
HIDDEN非表示のシート・行・列
FILE CONTENTSファイルの中に残る情報

結論

非表示にした行・列・シートは、ファイルから削除されたわけではありません。共有前には、画面に出ていない情報も別に確認する必要があります。

検証概要

検証日
検証条件
自作ファイル・条件・実測結果は本文に掲載
再現用ファイル
本文に作成条件・確認方法を掲載

非表示にしても、シートやセルの値は残った

非表示は、画面から隠す操作です。ファイルから削除する操作ではありません。

今回のExcelには、隠したシート・行・列の値が残っていました。別のExcelファイルへのリンクや、作成者情報も確認できました。

今回のサンプルで確認した結果
対象通常のシート表示XLSX内部
通常の非表示シート非表示シートとセル値あり
再表示メニューに出ないシート非表示シートとセル値あり
8行目・D列非表示セル値あり
外部ブック参照表示だけでは気付きにくい参照先の名前・架空のパスあり
文書プロパティセルには表示されない作成者など3項目あり

実測:シートは計3枚(visible 1、hidden 1、veryHidden 1)。非表示行1件、非表示列範囲1件、外部ブック参照1件、確認した文書プロパティ3項目です。

非表示シートに残ったデータ

画面に見えるのは「共有用」シートだけですが、ファイル内には隠した2枚も保存されていました。

内部を確認すると、 xl/workbook.xml には「非表示データ」が state="hidden" で登録され、対応する xl/worksheets/sheet2.xml のA1には HIDDEN_SHEET_SAMPLE が残っていました。

図1:同じXLSXにある3シートの状態
シート名workbook.xml の状態セルデータ
共有用visible公開データ
非表示データhiddenHIDDEN_SHEET_SAMPLE
VeryHiddenデータveryHiddenVERY_HIDDEN_SAMPLE
図1。表示状態はファイルからの削除を意味しません。今回の3枚すべてにworksheet partがありました。

MicrosoftのDocument Inspectorも「Hidden Worksheets」を共有前の確認対象に挙げています。

再表示メニューに出なくても、データは消えていない

veryHiddenは、通常の「シートの再表示」メニューに出さない設定です。より見つけにくくなりますが、暗号化やアクセス制限ではありません。

veryHiddenの設定とセル値を確認した方法

「VeryHiddenデータ」は xl/workbook.xml で state="veryHidden" でした。対応する sheet3.xml のA1には VERY_HIDDEN_SAMPLE が残っています。Microsoftの XlSheetVisibility によれば、hiddenは通常メニューから再表示できますが、veryHiddenは通常の「シートの再表示」操作だけでは戻せません。

隠した行と列にも、文字と数値が残った

「共有用」シートの8行目とD列を非表示にしました。sheet1.xml では8行目に hidden="1"、D列の col にも hidden="1" があり、A8には HIDDEN_ROW_SAMPLE、D3には HIDDEN_COLUMN_SAMPLE が残りました。B8は800、D4は400です。

図2:通常表示と非表示範囲のセル値
場所通常表示XLSX内部の値
B4見える100
A8・B88行目が非表示HIDDEN_ROW_SAMPLE・800
D3・D4D列が非表示HIDDEN_COLUMN_SAMPLE・400
図2。非表示範囲には、検証用の文字列と数値の両方を保存しました。

Microsoftは、データを含む非表示行・列を削除すると数式の結果が変わる可能性があるとも注意しています。非表示と削除は別操作です。

別のExcelへのリンクには、ファイル名やパスが残ることがある

非表示シートのB4に架空ブックを参照する数式 [1]Data!$B$2 を保存しました。xl/externalLinks/externalLink1.xml は参照先シート Data を保持し、そのrelationshipには file:///C:/Users/Sample/Documents/Budget-Source.xlsx を保存しています。これは完全な架空パスであり、リンク先ファイルは作成せず、検査時にもアクセスしていません。

外部参照の作り方によっては、ブック名やパス情報が保存される場合があります。必ずユーザー名が漏れるという主張ではありません。Microsoftの「External links found」も、別ブックの参照や、参照先のワークシート名が保存されることを説明しています。

セルに見えない作成者情報もある

今回は文書プロパティに、作成者 ToolPipo Synthetic Author、最終更新者 ToolPipo Synthetic Editor、会社名 ToolPipo Test Company も保存しました。すべて架空の名前です。これらはセルには表示されませんが、docProps/core.xml と docProps/app.xml に残っています。

表示だけでなく、ファイルの中身も照合した

XLSXをZIP形式のファイルとして開き、シートの表示状態、セル値、外部リンク、文書プロパティを直接確認しました。ToolPipoのOffice共有前プライバシー・隠し情報チェッカーとExcel・スプレッドシート監査チェッカーの結果も照合しました。ツールの表示だけでなく、保存された値そのものを照合しています。

図3:今回直接確認したOOXMLの場所
XLSX内の場所確認した内容
xl/workbook.xml3シートの名前・表示状態・外部参照
xl/worksheets/sheet1.xml非表示行列とセル値
xl/worksheets/sheet2.xml・sheet3.xmlhidden・veryHiddenシートのセル値
xl/externalLinks/外部ブック名・架空パスへのrelationship
docProps/作成者・最終更新者・会社名
図3。XLSXは複数のXML partを含むZIP packageです。図は今回の検証対象を簡略化しています。

合成XLSXをダウンロード

ToolPipoが検証用に作成した合成Excelです。実在する氏名・会社・パス・業務データは含みません。マクロ・ActiveX・埋め込み実行ファイル・DDEも含めていません。

検証用Excel(excel-hidden-data-test.xlsx)をダウンロード

自分で確認する

  1. 上の合成XLSXをダウンロードします。
  2. Excel等で開き、通常表示の「共有用」シートを確認します。Excelがなくても次のTool検査は可能です。
  3. Office共有前プライバシー・隠し情報チェッカーにファイルを読み込み、hidden・veryHidden・外部参照・文書プロパティを確認します。
  4. 必要ならExcel・スプレッドシート監査チェッカーで非表示行列や数式を確認します。
  5. さらにXLSXをZIPとして開き、図3のXML part内の値を記事と照合します。架空の外部参照先を開く必要はありません。

Excelを共有する前に確認したいこと

  1. hidden・veryHiddenシートの内容
  2. 非表示の行・列に残るセル値
  3. 外部ブックへのリンクや数式
  4. コメントと文書プロパティ
  5. マクロの有無

まずファイルのコピーを保存し、Excelの「ファイル → 情報 → 問題のチェック → ドキュメント検査」も確認してください。非表示のデータを削除すると、数式の結果が変わることがあります。消す前に、どこで使われているか確かめるのが安全です。ToolPipoのチェッカーも確認の助けにはなりますが、安全性を保証するものではありません。

参考資料と制作方針

公式資料はExcelの仕様・確認対象の根拠です。具体的な値とOOXMLの存在確認は、ToolPipoの合成XLSXを直接解析した結果です。コンテンツ制作・計算検証方針もご覧ください。

自分のファイルで確認する

自分のファイルで確認する

関連する検証